『……やっぱり俺達って……兄弟なんだな』 そう呟きクスリと自嘲気味に笑って見せると、それからそっと蓮を抱き締め返す。 『……うん』 蓮はそう短く答え、それ以上は何も言わなかった。 ただ涙を流したまま強く抱き締め合う、異常で歪んだ俺達の姿を、窓から差し込む月明かりが優しく照らしている。 ……俺はこの夜を忘れない。 彼の悲しい程の優しさと、心の底から誰かの想いを恐ろしいと感じた……この夜を。 そんな遠い昔にも感じる記憶を思い出しながら、真っ直ぐに目の前の彼を見つめる。