△~triangle~


『……蓮は……おかしいよ』

その俺の小さな呟きに、蓮はクスリと笑って見せる。

『……知ってるよ。……そんな事は』

そう言って蓮はもう一度俺の流れる涙を拭うと、それからギュッと俺を抱き締めた。

その突然の蓮の温もりを何故か恐ろしいと感じ、でもそれと共に……奇妙な安らぎを覚える。

……俺のたった一人の兄弟。

この世界でただ一人、俺の心を理解出来る人。