△~triangle~


「母さんが死んで、俺は部屋に閉じ籠もって、毎日、毎日、息をするのも辛かった。このまま俺も、親父も、お前も、全部消えてしまったらいいのにって……ずっと考えてた」

「……うん」

初めて明の語る当時の話に耳を傾けながら、小さく頷いて答える。

「友達だったはずのお前が、本当は俺の兄だって知って、どうしようもなく悲しくなった。お前だけは俺に嘘を吐かない。俺の気持ちを分かってくれる親友だって信じてたのに。お前は俺を騙して、利用して、裏切ったと、そう……思った」

明は悲しそうに笑ってそう言うと、静かに僕を見つめる。