「なぁ、覚えてるか?俺がお前を……初めて部屋に入れた時の事」

明のその言葉にそっと彼へと視線を向ける。

「俺の母さんは元から病んでる人だったけどさ、親父が蓮を引き取るって聞いて……本当におかしくなってしまった。だから俺、親父もお前の事も……憎んでたんだ。お前さえ家に来なければ、お前さえ居なければって」

明は静かに目を伏せて、呟くように語り続けた。