「……ノラ!」

病院の入口でキョロキョロと辺りを見回す彼女に声を掛ける。

彼女は俺の姿に気付くと、駆け足でこちらに走り寄って来た。

「……腕……どうだった?」

駐車場に向かって歩きながら、そっと彼女に問い掛ける。

彼女の腕にはすでに包帯は無く、白いガーゼがテープで留めてあるだけだった。