「……また、貴女に会いに行ってもいいですか」

その僕の問いに彼女はボロボロと涙を流し、それから深く頷いて答える。

「……ええ。……待ってるわ」

そう言って彼女は、そっと僕の頭を撫でる。

それは幼い頃に僕の頭を撫でてくれた、白くしなやかな優しい母の手。

母は僕の髪をくしゃくしゃと撫でると、それからニッコリと眩しい笑みを浮かべる。