……いや、きっと違う。

僕が本当に望んでいた事。

僕が心の底から、本当に願っていた事。

《……大丈夫。きっと……大丈夫だよ》

頭の中に響くノラのその言葉に胸がスッと軽くなる。

……伝えなくてはならない。

たとえそれが拒絶され、打ち砕かれたとしても……僕は言わなくてはならない。

僕の心の底に隠し続けていた……本当の気持ち。

……大丈夫。

だって僕には……帰る場所がある。

僕の帰りを待っていてくれる、大切な人達がいる。

そう心の中で呟くと、決意を固める様にグッと拳を握り締めた。