「私は貴方を捨てた。自分の産んだ子供よりも……私は音楽を選んだの。それがどんなに最低な事だと分かっていても、たとえこの世界の全ての人に非難されたとしても……私はそれを選んだ。自分で……選んだの」 「……知っています」 その僕の呟きに、彼女は悲しそうに瞳を揺らした。 「それなら何故、貴方は私に会いに来たの?……私と会ったって、傷付くだけだと分かっているのに」 彼女はそう言うと、真っ直ぐに僕を見つめ、僕の答えを待つ。