「いい加減にしろって。蓮サン嫌がってんじゃ~ん。……そんな悪い子にはオシオキですね?」 そう言って順平は笑うと、ドンとノラを床に組み敷いた。 「……っ……放して!!蓮!!……蓮!!」 またノラが繰り返し僕の名を呼び、強く、強く、瞳を閉じる。 ……そう、僕は本当は知っていた。 僕の本当に望むモノは……すでに僕の傍にあった事を。 それは僕がずっと目を背け続けていた事で、僕が頑なに受け入れようとしなかった真実。 ……一人ぼっちは嫌だ。 そんな幼い自分の呟きが聞こえた気がした。