「……蓮!!一緒に帰ろう!!私と一緒にあの部屋に帰ろうよ!!」 ノラは必死に暴れながら僕に向かって叫ぶ。 しかしその言葉を無視して、また彼女の背を向けた。 「……僕には君が眩し過ぎる。君は僕に無い沢山のモノを持っていて……それが僕を虚しくさせるんだ」 そう背中越しに呟くと、自嘲気味に笑って静かに俯いた。 「蓮だって……私や明の持っていないモノを沢山持ってる!!」 そのノラの叫びに、微かに目を見開くと……小さく首を横に振った。