「……僕には関係ない」

そう冷たく答えると、ノラが悲しそうに息を呑んだのが分かった。

「……どうして?どうして……蓮。クロを一番可愛がっていたのは……蓮でしょ?待ってるよ。クロも……明も」

その彼女の言葉に胸が締め付けられる様に苦しくなる。

しかし何も答えないまま、ただ静かに俯き続けた。

……今更……戻る事なんて出来るワケがない。

だって僕は……僕等は選んでしまったんだから。

互いに憎しみ合い、傷付け合う様な……そんな未来を。

強く拳を握り締め俯く僕の姿を暫く窺う様に和也は見つめていると、次の瞬間、そっと順平に向かって目配せをした。

それに順平は微かに頷くと、それからそっとノラに向き直る。