降り続ける雨の中を傘も差さないまま、ただ黙々と歩き続けた。 星一つも見えない淀んだ空からは、まるで愚かな僕を責め立てるかのように、大粒の雨が落ちてくる。 手にした鞄の持ち手を強く握り締めたまま、冷たい雨に小さく体を震わせた。 ……これでもう、戻る事は出来ない。 そんな事を考えながら、誰も居ない薄暗い道を当ても無く歩き続ける。 ……その時だった。