ノラは暫く悩んだ後、正直に自分の事を話した。
ノラの本名、前にバイオリニストだった事。
怪我をしてバイオリンを失い、家に居辛くて家を飛び出した事。
ノラはとても苦しそうに表情を曇らせて、話し続ける。
その彼女が話すどの話も……俺は知っていた。
……だって、ノラは何も知らない。
俺達がずっとノラを知っていた事も、ノラの怪我が……俺のせいだって事も。
そんな事を考えながらノラの言葉に耳を傾けていると、話は次第に蓮との出会いへと移って行った。
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