「……知ってたのか」
その震える明の問いに、微かに俯き……それから小さく頷いて答えた。
「初めから俺の事を知っていて、俺と一緒にいたのかよ!!」
その彼の叫ぶ様な問いに、周りの空気が一気に凍りつくのを感じた。
周りの窺う様な冷やかな視線の中、明の憎悪の籠められた瞳が真っ直ぐに僕を見つめている。
「ごめんね……騙すつもりはなか……」
「黙れ!!言い訳なんか聞きたくない!!」
明はそう声を荒げると、それから隣に立つ《父》を睨みつける。
「俺はアンタを許さない!!絶対に許さないからな!!」
明はそう叫び、残酷な現実から目を背ける様にきつく目を閉じたまま走り出す。
彼の姿が美しいドレスの隙間を抜け、そして見えなくなると、父は深いため息を吐いて自嘲気味に笑った。