この日……私はジュニアコンクールで大きなミスをした。 この日の為に血の滲む様な練習をし、準備は万全で望んだはずだったのに、ある《出来事》が私の心を激しく掻き乱した。 コンクールで弾くべき曲を忘れ、舞台の上で茫然と立ち尽くすという有り得ない出来事。 結果はもちろん……選外。 その事を誰も咎めはしなかったが、それが余計に自分を惨めにさせた。 それから弾く事の出来なかったバイオリンを握り締めたまま会場を飛び出し、そしてこの公園に逃げ込んだ。