……夢を見た。

それは遠い、遠い昔の懐かしい記憶。

……夕暮れの公園。

みんな家に帰ってしまったのか、私の他には誰も居ない。

その赤い空の下、幼い私はバイオリンを手にしたまま、公園の端にある池の前に蹲り泣いていた。

……何故私が泣いているのか。

その理由は大人になった今でも、ハッキリと思い出せる。