「……それで?」 「それでって……貴方は自分の娘が心配ではないんですか?」 僕の咎める様な問いに彼は何か考える様に視線を落とすと、微かに吐息を漏らした。 「あの子は自分で望んでこの家を出て行った。あの子はもう大人だろう?好きなようにしたらいい」 分かっていた筈のその彼の答えに、沸々と怒りが込み上げる。 ……そう……分かっていた事じゃないか。 ……彼等はこういう人間だったと。