「こちらで暫くお待ちください」 そう言ってメイド服姿の女の人はテーブルに置かれたカップに温かな紅茶を注ぐと、小さく頭を下げて部屋から出て行った。 一人残された広い部屋で、そっと窓から外を眺める。 外には綺麗に整えられた中庭が見える。 色取り取りの美しい花が咲き誇り、吹き抜ける微かな風で揺れていた。 ……変わらないな……あの人は。 そんな幻想的な光景を茫然と眺めていると、ガチャリと部屋の扉が開かれる音が聞こえた。