「……俺が何してたって自由でしょ? なんで嫌な気分になるの」 平然と言ってのける。 ああ、それでこそ、かもしれない。 この人は自由で。 告白するのは女の子。ふるのはこの男。 束縛されたら、すぐにすり抜けていく、猫。 「……私は嫌」 もし付き合い始めたその日に、今日は別の女の子と帰る、って言われたら嫌だ。 「…………ふーん」 つまらなさそうにミケが呟いて、私が顔を上げるよりも早く背を向ける。