「―……いきなりごめんなさい」 ん? 夢心地で歩いていると、階段の陰から声がする。 高い、可愛らしい声。 「私、三ヶ谷くんの事、好きなの」 ……あ。 一気に現実に引きずり込まれる感覚。 「三ヶ谷」なんて名字、この学校には一人しかいない。 自由で、ふわふわしてて、猫みたいで。 そして…… 「んー……良いよ」 絶対に、拒まない。