今だからこそ“愚かな勘違いだ”なんて思えるけど、やっぱり僕も人間で。毎日が同じだと退屈に思っていたし、時には自分の存在意義を深く考えてみたりもした。そうしてなんとなく生きている自分に失望して、どうしようもなく自分を嫌いになったり。一瞬の価値を忘れて勝手に永遠だと思って…そんな可哀想な人間だった。


そう、君と出会うまでは。


君と出会うまで、僕は可哀想な人間の中の一人で。なんとなく生きていた。

変化を望んで居たのに、僕は変化を怖れていた。だから極力、波風たたぬよう過ごしてきた。
そんな僕の目には君は凄く新鮮にうつったんだ。

初めて出会った時も、今日みたいな青空だった。

大声上げて泣きじゃくる君、その隣でどうしていいか解らず僕はずっとオロオロしていた。気付けばそんな僕を見てケラケラ笑っている君がいて、笑ったり泣いたり忙しい子だなぁとか思いながら、気付けば僕も笑ってた。

あの始まりの空は今日も青く輝いて、なんだかちょっと昔話をしたいような、そんな気分になったんだ。