[続]愛しき人

初日を迎える前に、俊哉に頼んで、資料に目を通してあったので、
さほど、困ることはなかった…

エリ先輩も久しぶりに指導を受けることになり、
資料を持って会議室へ行った…

「みさきちゃん久しぶりだよね…元気だった??たまにせ・・社長から様子は聞いていたけど…」

『そうだったんですか?何にも言わないから…』

「そっか。でもこれからは仕事頑張ろうね。さっ、仕事するよ…」

エリ先輩はいろいろと仕事状況や人間関係を教えてくれた…

少しの間はエリ先輩のアシスタントとして働くこととなった…



さすがに、初日は疲れた…
でも一日・・また一日と経つにつれて、仕事の感のようなものも思い出し、少しづつ仕事をしている実感を手に入れることができるようになってきた…

俊哉と復帰する時に決めていたことがあった…
できる限り、俊哉との関係・一之瀬との関係は好評しないこと…
課内での雰囲気が悪くなるもん…

はじめのうちは、
「なんでここにいるの?」扱いをされたり、
「誰からの愛人とかなんじゃないの?」
とか言いたい放言われた。

それは当り前の反応だと思う。
この企画開発部はこの会社のエリート部隊なのだから…


私はこういうときは何も言い返さず、
仕事で認めてもらうのが、
最善の方法と知っていた…
今までもそういう扱いされることも多かったから


私も必死に頑張った…
明らかに敵視している人もいたくらい…
つらくても泣かない…
こういう状況で泣けなくなるのだ…


『お疲れさまでした…』

仕事を終えるあいさつをした…