『としや…』

「みさき。お前の体には俺たちの子供がいる。妊娠5か月だそうだ…」

…えっ??子供??5か月???…

私はびっくりして、声を出したつもりなのだが…出ていなかったみたい…


「みさき??」


『…おなかの子供は大丈夫なの?』


「問題はないって…ただ、美咲自身の体力が落ちてるから、今日はこのまま入院したほうがいいって…」

『…ごめんね。私の体なのに…気付けなくて…』

「俺が悪いんだ…今回のことで美咲に無理させたばっかりに…おなかの子供にも…。でも…俺すごくうれしいよ。」

『生んでいいの??そしたら、仕事できなくなっちゃうよ…俊哉の力になってあげられなくなる…大事な時なのに…』


「みさき!!いい加減にしろよ。

お前は子供の命と仕事とどっちが大事かと俺に聞いているのと一緒だぞ。

強いては仕事と美咲のどちらかというのとも同じだ・・・

俺にとっては美咲が一番大切だ。

仕事は後からでもどうにでもできる。俺だってそれくらいの力はあるつもりだ…俺ってそんなに信用ないのか?」

『そんなつもりないよ…』

「だったら、ゆっくり休め…いいな。
”これは専務命令だ”というより”夫命令”ってとこかな♪♪」

『としや…』

「もうすぐ、一之瀬の両親もやってくるから。

みさきっ…今、俺が一番願っていることは美咲が元気になることと、元気な子供を産んでくれること。それ以外いらないよ…」