・・・・俊哉side・・・


今回の事で、少し時期を早めなくてはいけなくなった…



そうしから藤本建設の話が出たとき、正直びっくりした。

なぜって、それは美咲のお兄さん…つまり一之瀬の傘下にある企業だが、

かなりキナ臭く、一之瀬グループから追い出そうとしていた

矢先のことだったから…

藤本建設は、うちの会社にも事業提携の話を持ち込んで来ていた・・・

美咲と結婚はしたが、うちの会社は一之瀬の傘下ではない。

単独でやっていける力があるから…

もちろん、美咲の父親 つまり 一之瀬社長からは何かあったら、全面バックアップはするから安心してくれと言われていた…

その言葉は、オレの力となっていた。

美咲のお父さんに仕事でも認めてもらいたいと思っていたから…


一ヶ月くらい前にお兄さんから連絡が入り、

藤本建設とのことを聞いていたオレは、事業提携の話を初めから断った…


そうしの会社は前田物産といい、中の上って大きさの会社だ。規模だけで言ったら、藤本建設の方がでかいが、安定性・将来性は比べ物にならないくらい、前田物産の方が上だ。それは友人としてではなく専務としての意見だ。

藤本の奴付け込んだか・・・

でも、その動きがよめれば、逆に落とすのは簡単なことだった…

お兄さんが動き出し、オレも会社の損害を最小限に抑えるよう、藤本の株関連並びに取引をすべて停止させた…

それが、先ほどのお兄さんが言っていた「頼む」の意味。

あっという間に藤本建設は倒産した…あっけないものだった…

社員のこともあり、NFとABCとで部門ごとに受け入れた。

ただし、優秀な人材のみを…それは会社を守るために…

会社経営はいい人では足元をすくわれる…どれだけ外の人間から憎まれるかで、社長の度量がわかるという…そう言ったのは一之瀬社長だった。

言い方は悪いが、簡単にいえば、どれだけ社員を守れるかということだ・・悪くない…一之瀬社長の考え方…
多分、自分の父親より尊敬をしているであろう…


オレはこんな時、ふと思うことがある…多分美咲と知り合っていなければ、この一之瀬社長とこんな話はできないだろう…一之瀬社長もオレを義理の息子として接しているから、こんな話をしてくれるのだと思う。


オレは、愛するの妻と最高の仕事 両方手に入れる事が出来たのだ。

美咲には感謝してもしきれない…オレは最高に幸せだ…

美咲にも最高に幸せとなってほしい…してやりたい…

いつも思うことだ・・・