そして、新人くん小声で声をかけた…

「あ…あの・・・専務と課長とみさきさんって何か関係があるんでしょうか??」

「はぁー…お前は馬鹿か!!人の女に手を出すなって言われてんだよ!!」

課長時代の俊哉のようだった…

「人の女??ですか?美咲さんのことでしょうか?
美咲さん彼氏いないって聞いてましたが…」

「確かに、美咲には彼氏はいないだろうな・・・いたら許さないけど…」

「確かに…みさきちゃんに彼氏がいたら大変なことになりそうだ…」
課長が言った。

そんな会話を聞いていた新人くんはさらに困惑気味…

『二人ともいい加減にしてください。時間の無駄はやめてください。
ごめんね。二人の会話では分らないよね。
誰から私に彼氏がいないって聞いたかは知らないけど…
わたしは彼氏はいないけど、結婚しているのよ…この専務と…』

「うっうそ。どうして??」

『いやぁーどうしてって聞かれると何とも言いにくいけど…』

課内から・・・「だって好きだからっ言っちゃえば・・・」なんて声も上がって・・・少し恥ずかしくなった…


「そういうことだから、美咲には手を出すなよ。」
俊哉が一言言った。

「まあ、そういうことだから、あきらめろな…
美咲ちゃんかわいいから気持ちはわからんでもないがな…
多分この課の連中も…って思っている奴多いと思うぞ…」
課長までもそういう事を言う…


そんな事言わなくても、大丈夫なのに…



はぁー会議で疲れているうえにこれじゃ…なおさら疲れるわ…




それからの俊哉は・・・

時間があると、ここにきて「美咲。コーヒー」という。

コーヒーなら秘書さんに頼めばよいと言っても、
「会社で飲む美咲のコーヒーがうまい」
なんて、言われれば、うれしくて、淹れてしまう。

私も、結構単純だ・・・