(ええい、このまま、沈んでやれ。僕なんか、こんな僕なんか、深い海の底に沈んでしまえばいい――)


透明度の高い海は、逆に神秘的で、恐ろしい罠を持って待ち受けているようにも思えたけれど――。

そこにいたのは。


(マーメイド……)