「んもう! からかうんなら、もう知らない!」 彼女に返しそびれていたハンカチに――彼の知らない名前と、住所が書いてあった――東京都、から始まる連絡先が…… SAHO ARISAWA……これは彼女の名前なのか。 彼は浜辺で彼女が持っていた貝殻に想いを託した。 YUTAKA MAMIZU……XXXX-XXX……そしてメッセージ。 『また、会える?』 浜辺からYES、と彼女が手を振った――。 了