しみる恋。


(しまったなあ。こんなことなら、すぐにでも来ればよかった――)


ぼうっとしていたせいか、立ち去りかけようとした時、脛を岩にぶつけた。


「いってー!」


結局、彼女と会えたのは、船の出港する間際の一時だけだった。