新しい高校。
高2になって引っ越しをしなければいけなくなって…。
私、美川遥(みかわ はるか)は香蘭高校に転入してきた。

しかしここは…。

さかのぼること20分前。

「こんにちはー…」
昼間に差し掛かり太陽が真上にある。
そんな時間にやってきた新しい学校。
まだ新学期には程遠いが高1の時にやっていたソフトテニスをここでもしたいと思い学校へと足をむけた。
テニスコートは見たところ2つ。
にしては…部員が多いようには見えない。
「なに?新入生の見学?」
背後から急に声をかけられ私はとっさに振り向いた。
なんて言うのかな?
メガネをかけたインテリ系で…髪は黒。
背は私よりはるかに高く、それとなく目の前にあるソフトテニスのユニフォームを来ている。
「いえ…あのソフトテニス部を見学に…新学期から転入してきます。美川遥です。」
やはり、これから一緒になるであろう先輩?にはきちんとした挨拶をと思い頭をさげた。
「ん?2年に?3年に?」
明らか見た目でわかるように私は1個上だと思っていたが、こうゆう聞かれ方をしたのは初めてだ。
「えっと…2年…です?」
「疑問形?」
「あっ…いえ…2年です!」
やはりしっかりしているから年上だろう。
自分に言い聞かせてみた。
がしかし…
「なんだ、同期生じゃん」
はい…。
はい?
はい!
「同期生なんですか!?」
「だよ。」
高2にしてはしっかりしすぎでしょ!?
いやいや。
私がしっかりしなさすぎるのかな?
「ソフテの見学にきたんだよな?」
「はい…」
「経験は?」
「中学と高校で少し…」
「わかった。しかしな…ここのソフテは少しかわってるぞ?」
その意味がわからなかったがとりあえず案内してもらえることには変わりがない。
頭を縦にこくりとさせて彼の方をむく。
「よし。わかった。僕は大田優(おおた ゆう)。」
彼は軽く自己紹介をして私をソフトテニス部のいるコートまで案内してくれた。
とりあえずはいいとしよう。
周りからみたら後ろを歩く私は小さい雛にしか見えないと思った。

「とりあえず、今このコートにいるのがソフトテニス部の部員だ。」
大田君を除いた4人がずらりと目の前に整列した。
みんなこちらをむいていて…てかなんでみんな男!?