彼女が抱えている大きすぎる秘密


「那智くんは…enが嫌い?」


「嫌いっつーか……羨ましいんだ。あんなに才能溢れるenのことが。もしenが持つ才能が、少しでも俺にあれば…

sabotageの活躍の場が広まるかもしれないから…」

俺は足元を見ながら、そうこぼした。

俺は、enが羨ましい。

enに妬いている。


「…ばっかじゃねーの?」

蓮の声が響く。

「な…!!」


「あのなぁ那智。enは確かにすげーよ。でもな、お前だって才能ある。あるからこうやって活動できてるんだろ?」


「そうそう。それに俺らはゆっくり行けばいいんじゃないか?」


「蓮…真…」


「それでも!!」

馨が指をたててニヤリと笑った。


「それでもenが羨ましいんなら…

俺らもenの位置に行こうぜ。同じ土俵に立つんだよ!!」


「同じ土俵って…世界!?」


「ああ!!」

馨は目を輝かせた。

「e…enは世界的な歌姫だぞ!?」


「じゃあ俺らも世界的なバンドになろう!!」