演奏が終わった時、エミリーは何も言わなかった。

ダメだったか…?
そんな風に思いだしたとき、

「すっげーよ那智‼めっちゃうまくなってる‼」

声をあげたのは馨だった。

「聞いてて泣きそうになった…」


「悲しくなった‼」

蓮と真も驚いているのがわかった。

「でもお前らも…かなり上手くなってたじゃねぇか‼伴奏聞いた時に、思わずにやけたんだぞ?」


「まあ…な」


「毎日暇さえあれば楽器いじってたからな」

三人は嬉しそうに笑っている。


『そろそろいいかしら?』

エミリーの声が響く。

俺達はエミリーの方へと向き直った。


『…とっても良い演奏だったわ。じゃあこれからアルバム制作していきましょうか。よろしくね、sabotage』


『つまり…』


『世界で戦いなさいってこと‼』

エミリーが明るく笑う。


「……よっしゃー‼‼」

俺達はガッツポーズをして、抱き合った。

世界に行ける‼
そのことがとてつもなく嬉しかった。