次の日の放課後
エミリーに言われた通りにsabotageは全員でスタジオに入った。

『じゃあ全員で何か演奏してちょうだい』

エミリーが入ってきた途端にそう指示する。

英語は皆わかるようになったらしく、一人一人が準備に取り掛かった。


「何する?」


「…カップリングであった、失恋ソング…いいか?」

そうリクエストしたのは俺だった。


「いいぞ」

全員が一通り楽器を鳴らして、チューニングを済ませ、演奏が始まる。


伴奏の時点で俺は鳥肌が立った。

こいつら…かなりうまくなってる…‼


嬉しくなって口元がにやける。
けれど今から歌うのは失恋ソングだ。そんな表情は似合わない。

俺は目を閉じて落ち着いてから歌い出した。


横目で、蓮がこっちを見ているのがわかる。


悲しい、悲しい、どうして、何で…

そんな気持ちが俺の中で渦巻いて、声に混ざっていく