『失恋ソングを歌うなら、失恋した時の気持ちを思い出しながら歌いなさい‼
応援ソングなら、あなた達sabotageが一番苦しかった時の気もち‼
歌に感情をこめなさい。それがenとあなたの差を埋めるための大事なことよ』
エミリーはにやりと笑った。
歌う時に感情を再現する。それが大事なこと。
『じゃあ早速やりましょうか、那智
私が昨日聞いた、サードシングルのカップリングの失恋ソング…アドバイスを元に歌って頂戴?』
俺は少しエミリーから離れ、気持ちを落ち着ける。
そして大きく息を吸い込みながら、エミリーがリクエストしてきたその歌を、歌い始めた。
歌い終えてエミリーの方を見る。
『ど、どうでした?』
「…素晴らしいわ、那智。グンっと良くなった…」
「エミリー、日本語になってる」
俺が笑いながらそう言うとエミリーは「あらやだ」と口元に手を当てた。



