「よろしい。それじゃあ行きなさい」
「はい‼あっ、この話ってメンバーには…」
「していいわよ」
俺はその言葉を聞いて、すぐさま社長室を飛びだした。
エレベーターに飛び乗り、一階を目指す。
「世界…世界‼」
俺はエレベーターの扉が開くと同時に外に出て、携帯を取り出す。
世界に行けるという内容のメールをメンバーに一斉送信した。
世界で、enと戦える…‼
いや、enじゃない、七海だ。
俺はこの時、決めていた。
enの正体が七海だということを、世間にはもちろん、メンバーにも話さないということを。
変に揺さぶりをかけてしまったら、真っ向から勝負ができない。
俺は切符を買って、来た道を戻っていく。
行きとは、景色が違って見えた。



