いや、追いつくだけじゃない。抜かさなければ。
「…ちょっと楽しみだな…」
俺はenを追い抜く姿を想像して身震いをした。
世界を舞台に…戦う。
教室に入って席につくと
「あれ、早かったな」
馨が少し目を見開いた。
「真がまどかさんが来てないって教えてくれたから引き返してきた」
「ふーん………なんかあったか?那智、いい顔してる」
馨はニヤリと笑いながら俺の顔を指した。
「決意が固まったってところかな」
俺は笑みを浮かべながらそう言った。
教室の扉が開き、担任が入ってくる。
「起立」
担任は淡々とした声で号令をかけた。
《今日はオフか…とりあえず、事務所には行かないとな》
そんなことを考えながら立ち上がった。



