「那智くん…変装とかしないの?」
「学校に来るだけだし…まさかこんなことになるとは思ってなかったから…」
チラッと七海を見ると無言でにこにこしていた。
…こういうところはまどかさんにそっくりだ。
「…すみませんでした」
「はい。
じゃあ私はマネージメント科に向かうけど…昨日言ったこと覚えてる?」
「『芸能科からあまり出ないように』だろ?」
「そう。他のsabotageのメンバーにもわからせといてね」
七海はビシッと俺に指を指してから去って行った。
少しマネージャーモードだ。
俺は苦笑いを浮かべて芸能科に入って行った。
「お、那智おっす」
「おー馨…どっか行くのか?」
「職員室に寄った帰りだよ」
「お前何時に学校来てんの?」
廊下を進んで、教室に向かう。
芸能科では、上履きは存在しない。
『上履きなんて学校でしか履かないものだし、靴のままで過ごしてる方がかっこいいでしょ』
というまどかさんの意見が反映されている。



