次の日の朝、俺は眠い目をこすりながら校門をくぐった。

「あ…那智くんだ!!」

知らない女の子が俺を指して叫んだ。


その声に反応したかの用に、周りにいた子達が一斉に振り返る。


「那智くんー!!」

俺は気づけば、多くの人に囲まれていた。

いくら学科が違うとはいえ、校門は同じ…

芸能科なら、こんな風にはならないのだけれど、有名人にあまり免疫のないプロデュース科などの子達だと…


「はーい、離れてください!!」

困り果てた俺と、俺を囲む子達の間に七海が割り込んできた。

「何よあんた!!」


「マネージメント科の柳瀬七海です!!

マネージメント科の方が周りにいたら手伝って!!
大事なタレントを記者とかファンにもみくちゃにされないようにするのもマネージャーの仕事だよ!!」

七海がそう声を張り上げると、人が集まってきた。

マネージメント科の子達は、俺と周りの子達の間に隙間を作り、芸能科の下駄箱まで守りながら送ってくれた。


プロデュース科の子達も諦めて、自分達への校舎へと向かう。

「マネージメント科の方々お疲れ様!!」


「七海に言われたら働くしかないから」

一人がそう言うと周りから納得の声が上がり、マネジメント科の人達も校舎へと向かい始めた。


…七海は、マネージメント科の子達の尊敬の対象だ。

芸能人のマネージャーとして既に働きだしていて、しかもあのenのマネージャー

尊敬されて、羨望のまなざしで見られて、当たり前だ。