「sabotage!!帰る支度…って珍しく終わってるじゃない。

…って思ったら七海ちゃんが指示してくれたのね、ありがとう!!」

マネージャーは七海の手を握った。

「いえいえ、まどかさんに言われたのでやっただけです」


「それでも助かったわー!!

enのマネージャーとして働いて疲れてるでしょうに…

sabotageはしっかり家まで送るから、先に帰っていいわよ!!」


「じゃあお言葉に甘えて…」

七海は楽屋の扉を開けて、お疲れ様でした、と深くお辞儀をしてから出て行った。


「はい、じゃああんた達も帰るわよー」


「うえーい」

荷物を各々持ち、楽屋を出る。

廊下には、すでに七海の姿は無かった。


途中すれ違う関係者の方達に挨拶をしながら、地下の駐車場へと向かう。

車に乗り込み、マネージャーが発進させ、外に出る。


もう番組が終わってから一時間以上経っているというのに、そこには出待ちをしてくれているファンの子達がいた。


窓を少し開けてると、歓声が上がった。

「皆こんな時間までありがとう!!」


「気をつけて帰ってね!!」


「誘拐されないように!!」


「これからもよろしくな!!」

一人ずつ、窓からファンに向けて声をかける。


それを確認したマネージャーは車を車道へと出した。