まだ冬の冷たさの風が残ってる
春風が頬にそっと当たる。

一歩一歩進む道。
見渡せば、自然に包まれて
海の波がいつも迎えてくれる。



“私はこの朝の静けさが
切ないけど大好きなんだ”


「おはよーっえみぃ」

聞こえる声、いつもそっと
支えになってくれる、
なんでもわかってくれる

はるだった。

はるの元気さには、ついて
いけないくらいなのに、
いつもリードしてくれる。

「おはよーっ」

毎朝のおきまりのあいさつ
おはようって言葉って
なんだか元気がでる。

「いよいよ高校生活
ラストかぁー。」

当たり前に来てた制服も
いつも通ってくる道のり
全部が”高校“ っていう
言葉では最後なんだ。

「だねっなんだか寂しいな」


今までの思い出が。
緊張した入学式、
はるとの出会い、いっぱい

「なぁに、早いよ?しんみり
するのは一年ある。楽しも?」

はるもそっと切ない顔を
浮かべた。けど、はるは
どんなときでも、そう。

私を一番に考えてくれる。
優しい、元気な女の子


「うん。たのしむぞー」
「楽しみましょー。」

二人の声が響く廊下
この時に楽しむだけでは
だめな、当たり前に進む
だけでは駄目…だと

気づかせられるなんて
思っても見なかったから。