「佐々木先輩。」

振り返ると知らない男子が一人、強張った顔をして私を見ていた。

「佐々木…夏美先輩ですよね。」

「はぁ。」

なんとも可愛げのない返事だ。
二時間程数学に必死になっていたせいか声を久しぶりに出したらこれだ。

「俺中村佑樹といいます。越野大付属の二年です。」


え、頭よ。