その男は
逃げて行った。


助けてくれた奴を見た。


その時、
あたしの全てが
そいつに惹かれた。

一目惚れをしてしまった。


アシメで淡い栗色の髪、
ぱっちり二重に合った大きな瞳。
目をみると吸い込まれそうなくらい
きれいだった。


「大丈夫か?」

『だ…大丈夫です。ありがとうございました。』

そう言って
あたしは帰ろうとした。