「な、な、な、何ですか!」



びっくりした私は
ただ赤面することしかできない。



「何ってキスだけど。」



「そんなこと、分かってます!何でしたの!?」



「お仕置き。」



ニヤッと笑う先生を
私は意味がわからないと
首をかしげて見せた。



「だって、さっき先生って、言ったろ?」



その言葉ではっとする。


そうだ、私さっき
先生の意地悪と叫んでしまった。


名前で呼ばないと
容赦なくお仕置きしてくる先生。


その度に、
私の心臓は
破裂するほど大きく波打つ。



「誠はずるいです。」



私はつい本性を呟いた。



「あ?」



「私のことからかって。私はこんなにもいっぱいいっぱいなのに。」



つい、涙が溢れ出す。


そんな私に先生は
優しく手で涙をぬぐう。



「いつも言ってるだろ、本気だって。」



だから、
本気って、意味が分からないのよ!


私はこのモヤモヤして
ドキドキする気持ちを
知りたくて先生に聞いた。



「私に恋心を教えてください!私、今の自分の気持ちがわからなくなっちゃったんです…。」



先生は少しびっくりしながらも
楽しそうに笑った。



「俺がお前に恋心を教えてやるよ。覚悟しとけ。」



そう告げると
先生は私をぎゅっと抱き締めた。