「ん?なんだ?」



先生は、
いきなり相談を持ち出した私に
びっくりしていた。


なんだか言いづらい
気もするが、
1人ではどうすることも
できないので
私は意を決し口に出した。



「亮くんからの告白のことなんですけど…。」



その瞬間、
先生の顔が強ばった。



「ああ。それで?」



「あの、亮くんのことは好きだけど、それは友達としてなのかなって…。だから、断りたいんだけど傷つけたくないんです!」



「そっか。断るのか。まあ、オッケー出すって言っても、俺がさせねーけど。」


先生が
面白そうに言うので
私は少しムスッとした。


こっちは
まじめに聞いてるのに!



「からかわないでください。それで、相談っていうのは…」



「ああ。」



「私に、返事の仕方教えてください!……先生なら、傷つけないで断る返事の仕方知ってるかなって。」



すると、
先生はスパッと言い切った。



「素直に付き合えないって、言えばいいだろ。中途半端な優しさは、相手を苦しめるだけだ。」



た、確かにそうなのかもしれない。



「で、でも、私は亮くんにたくさん優しくしてくれた。こんな私を好きになってくれた!それに、亮くんに少しだけどときめいた!」


私はいっきに
亮くんへの想いを言い終えたのだ。



「それ以上は言うな。最初に言った通りに付き合えない、それだけでいい。俺だったらそうする。」



「でも……」



それでも、
納得のいかない顔をする私に
先生はキスをおとした。



「!?」



な、何!?


戸惑う私に
先生は
いつもの爽やかに微笑みを残した。



「君は僕に従っていればいいんです…。」



聞こえたのはその顔に
似合わないどす黒い声。


だけど、どこか
切なく震えて聞こえた私は
魔法にかけられたように
素直に頷いてしまった。


それを見ると
先生は私の頭に手を乗せ
優しく撫でた。



「いいこ、いいこ。」