HRも終わり、授業の準備もし移動教室なので
移動していると亮くんに会った。
「姫埼さんおはよう」
昨日のことはなかったかのように
いつも通りに接してくれる亮くん。
「おはよう、亮くん。あのね、昨日のことなんだけど…」
そういう私の言葉に思い出したのか顔を真っ赤にさせて
「あああぁ!なな、何?」
「明日の昼休みに屋上に来てくれないかな?返事、したいんだ」
「うん、わかった。…いい返事を期待してるよ」
そういい、教室に戻る亮くんを見ると
なんだか悪い気がしてならなかった。
「ごめんなさい、亮くん…」
私はそっと小さな声で呟いた。
廊下にはたくさんの生徒。
毎日毎日色々な噂話をしている。
「昨日さ、寿先生とさっちゃんデートしてたんだってー!!」
「キャー!!!まじ~?!でもお似合い~くやしい!!」
「だよねだよねー!正直あの二人ならいいっていうか~」
キャッキャッと話す女子生徒の横を通り過ぎる。本当に噂は早い。
もしかしたら私と亮くんが一緒にいるところを見られているのだろうか?
