あのあと、
先生は柳沢先生を
待たせていたためすぐ行ってしまった。


私は家に帰ってからも
あのことが
夢のように思えて
仕方がなかった。



次の日、
私が学校に行くと
廊下でばったり会ってしまった。


ど、どうしよう!


アワアワしている私を見て
先生は
クスッと笑みを浮かべた。



「おはようございます、姫埼さん。」



いつものように
ジャージをかっこよく着こなし
爽やかな先生を見て
私は不思議に思った。



「あれ…やっぱり夢だったのかな。」



小さく呟いた私に
先生は気付いたのか
先生はニコッと笑った。


いつもの先生だけど
何だか少し意地悪な笑みを。


そして、
ゆっくり私に近づき
通りすがると同時に
耳元でこう告げた。



「夢じゃねーよ、実紅。」



え!?


そして、
頭を優しくポンポンと叩き
行ってしまった。


そっと、
頭を触ると
何か小さなメモが
のせてあった。



「え!なにこれ!」



さっき、先生が
乗せたであろうメモを
私は急いでじっくり見た。