思ったよりもすぐその日はやってきた。


「藍花おはよう。」

家を出る直前まで行くかどうか悩んでいたから、待ち合わせ時間ギリギリになってしまった。

「おはよう、楓。大和くんも。」

真面目な楓と大和くんは当然のように待ち合わせ前に到着している。

「あれ、成田は?」

時間通りに来てるとも思えないけど…。

「えっと、成田くんは…」

楓は答えにくそうにしている。

もしかして、ドタキャン?


「そんなに俺に会いたかった?」

急に背後から声が聞こえた。

その距離がすごく近い気がして、私は振り向くことが出来ない。

「…別に。いつもみたいに遅刻かなって。」

「…そっか。」

成田にしては引きが早くてちょっと拍子抜けする。


「じゃ、行くか。」

大和くんの声をきっかけに、私たちは目的地へ向かう電車に乗った。