蓮見はカップを再びテーブルの上に置いた。 「小さい頃からあたしにとってお店は大切な存在だった」 「大切な存在?」 「来るお客さんはいつも楽しそうに何を食べようか考えている、その光景を見るのが好きだったんだ」 それのどこが大切な存在なの…? 「あたしお客さんが来るたび笑っている両親が大好きなの」 「え…」