「本当はあいつが辞めたら悲しむ生徒はたくさんいる」 草宮はゆっくりと顔を上げる。 「俺だってそうだ、だから最後の授業をやってほしいんだ」 「くだらない」 蓮見のお父さんは投げやりな感じで言う。 「お前にはもう1つ教えてやるよ」 「なんだ?」 草宮は立ち上がり蓮見のお父さんの耳を引っ張った。