ノクターン村から王都迄は三日はかかる。
夜が明け朝になりまた夜になる。
そんなことを繰り返されている内に三日目の朝が訪れて日が高くなり昼になり漸く王都の検問を過ぎそして見えてくる活気付いた王都の町。

「これが……ユバールの町」

王都の町、通称ユバールの町。
この国ユバール王国は昔それほど大きく無かったが今の王が就任してから周りの国を取り込み強大になった。
その上、ユバール王国は他国では有り得ないことが有り得てしまっていた。
それが兄妹での結婚だった。
余り実例は無いが確かに存在する法律にイヴは無意識のうちに顔をしかめた。

「イヴ様?」

使者の一人であり後宮の女官達を管理する者であるフィリアの声にハッとし何でもないと告げる。
フィリアにはこの三日間の間に色々なことを学んだが大抵がノクターン村で学んでいた事だったために余り苦痛ではなかった。