ベンチに座ったイヴを観察するように見詰めてくるクラウドに少しだけ居心地が悪そうにするも桜のように柔らかな笑みを浮かべた。

「クラウド様もお座りになってください。」

「宜しいのですか?私のような下の者が妃様と同じ様に座るなど……」

「大丈夫ですよ。私は妃と言っても権力も何もないのです。クラウド様と同様に扱って下さい」

そう言っていっそう柔らかに微笑むイヴにクラウドも柔らかな笑みを浮かべた。
そして空いていたイヴの隣に座るとイヴの横顔をチラリと盗み見る。
綺麗だけれど肌が白いからか儚げで今にも消えてしまいそうなイヴにクラウドは目を細めた。

「クラウド様、どうなさいました?」

「クラウド」

「え?」

「クラウドと呼んでください。様は入りませんよ」

「では、クラウドも私のことはイヴと呼んでくださいね」

コクりと一度頷く事で嬉しそうな笑みを浮かべるイヴに可愛らしいなと笑みを浮かべた。
桜の花弁を見ながら話すイヴにクラウドは相打ちを打ちながら空を見上げた。
月はもう空高く昇っている。
そろそろ眠らなくては明日に響くだろうと考えたのかクラウドは話をするイヴを一度制した。

「そろそろ失礼しますね」

「あ……。はい、話を聞いてくれて有り難う御座いますクラウド」

立ち上がったクラウドに習って自分も立ち上がり別れを告げる。
また会えたらいいなと思いながらもそのまま部屋の中へと入っていった。